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ヨーロッパ恋愛紀行
恋愛心理学小説
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プラハ城と2人のアメリカ人①
朝食をホテルで軽く済ませ、僕はピーターとの待ち合わせ場所に向かった。そこは観光街の一角にあるカフェだった。彼は普段はこんな観光客プライスところにこないはずだが、一応僕に気を使ってくれたらしい。とはいってもランチだから大したことはないし、それに何といっても彼はアメリカ人なのだ。
カフェに着いたとき、彼はすでにテーブルについてコーヒーを飲んでいた。昨夜のことで最初はにやにやしながら僕を見ていたが、自分の方からそれを話題に出すほど嫌な奴ではないらしい。僕が昨晩のことについて話すそぶりを見せないでいると、彼は自分のことを話し始めた。僕としてはそっちの方がずっと興味あった。
ピーターによると、プラハにはアメリカ人が1万人も住んでいるらしい。それもそのほとんどが彼のように英語を教えに来てる『男』であるということだ。それにしてもなぜチェコにそんなに多くのアメリカ人男性が来るのだろうか。建前では、ヨーロッパの美しさがあるからということだ。しかしもちろんそれだけではない。
「おまえもカリフォルニアにいたならわかるだろう?」 僕が以前アメリカ西海岸に住んでいたことを知ると彼は楽しそうに言った。「サンフランシスコの女はサイテーだぜ」
だからヨーロッパ女性が良いということらしい。特にチェコの女の子はかわいいし、プラハは女性の比率が高いから最高だということだ。なぜならチェコの地方からプラハに出てくるのは女性ばかりらしい。
「それにわかるか、アメリカ人の女は男と対等になろうとして女らしさを捨ててるんだ。女であることなどどうでもいいって思ってるんだぜ」
う~ん。確かにそういう人もいるかもしれないが。
「それにひきかえ、ヨーロッパ女というものはますます女性的になろうとしている。そのパワーはすさまじいものがある。より女らしくなろうとしてるんだ。ほら見てみろよ。(きれいな脚を出して歩いていく女性の方を見て言う)これが本来の女性のあるべき姿じゃないのか?おれはそう思うね」
そのオープンカフェのある通りには、アメリカじゃまず見られないようなファッションをした女たちが歩いている。高級そうには見えないが、きれいでセクシーに着こなしている女性は多い。たしかに女性の女性らしさというのはなくなってほしくないと思う。
あるいは生物学的に言って、女性が女性らしくすることは正しいことなのだ。自然に忠実であるということが絶対的な正義だと仮定すれば、女性は男性にとって美しく見える、つまり女性らしくあればあるほど正しいことになる。そうでなければ進化の過程で性淘汰されてしまっただろう。もちろん生物学的観点だけでは現代社会を規定することはできないが、少なくとも自然に反することはだめだというだけの前提で遺伝子操作やクローン技術に反対している人たちは、女性の女性らしくあるべきだということに反対することはできない。

prag_town


ピーターと別れた後、僕はインターネットカフェを探しながらひとりでプラハ観光街を歩いた。他の女の子たちともそろそろ連絡を取らなければならない。まだあと3人とアポがある。彼女たちから急な連絡があるかもしれないから旅行が始まってもメールは毎日チェックすべきなのだ。
さすがに観光地として洗練された街だけあり、ネットカフェはすぐに見つかった。Internetと書いた看板を見るとほっとする。その看板がなければ絶対に入らないような暗くて怪し気なカフェだったが僕は迷わず入っていった。
もともと普通のカフェだったところにパソコンを数台置いただけといった感じだ。途中、カウンターにいた女の子にあいさつして奥のパソコンの前に座った。ちょっと古めのパソコンに14インチのモニターが乗っかってる。中古で安くそろえた感じだがネットスピードには問題なかった。
そこは1分1コルナ(当時約3円)だったが、ピーターに言わせるとプラハではだいたい1~2コルナが相場らしい。つまり1時間180円から360円で、まあ国際標準的な値段である。つまり観光客に合わせた値段設定であり、地元の人にとって高く感じるはずだ。観光エリア以外ではインターネットカフェはそんなになさそうだし、プラハではまだインターネットがそれほど普及してないようだ。携帯電話はかなり浸透していて携帯でeメールもできるが、ブラウザがないとマッチ系サイトにはアクセスできない。ということは、まだ大部分のプラハ女性は手の届かないところにいるということになる。残念なことだ。僕はプラハ繁華街を歩く美女たちを思い出した。チェコの国民性からして通りを歩く女性を捕まえるのはかなり大変なことになるだろう。さて、どうしたものか、と思った。いずれにしてもその日は誰かを捕まえないといけなかった。

僕はメールをチェックして、残りの女性から緊急の連絡がないことを確かめた。次の日のイリーナ、その次の日のアンドレアはすでに電話で待ち合わせ場所を決めてたから、メールが来てないということは「問題なし」ということだ。最後のウィーンのアリシアだけはまだメール連絡が続いていた。彼女からはちゃんとメールが届いていたから、ちゃんとプラハの近況報告をしておく。彼女に会うのはずっと先だからまだ電話する必要はない。今回、訪問予定に入れられなかったルーマニアのレナからもメールが来ていた。僕が今プラハにいることを知っているから、当然来るんでしょ?とでも言いたげなメールが来ている。ルーマニアに行かなくなったことをレナにはまだ言ってなかった。ハンガリーのすぐ隣だし、もしも他の女性とトラブルがあった場合にはレナに会いに行くつもりだ。彼女には悪いが、まだはっきりと「行かない」と言うわけにはいかなかった。
僕は安っぽいイスに座って、その他の世界のあちこちから来ているメールに返事を出すといういつもの作業を進めた。当然のことだが、インターネットカフェの様子は国によっていろいろ違い、最初はとまどうことが多い。初めての国の場合、その国特有のキーボードに戸惑ってしまうことがある。文字数の多いチェコ語のキーボードはかなり複雑で、特に@の打ち方を発見するのに大変だった。結局、張り紙に書いてあったのを見つけたのだが、なんとテンキーの4とテンキーの6と、あと更にもうひとつ(何だったか忘れた)のキーを同時に押せ、ということだった。強制終了じゃあるまいし、3つのキーを同時に押すなんて誰がどういう理由で決めたのだろうか。
結局メールチェックに30分以上かかってしまった。さて、ようやくその日の仕事にとりかかる時間だ。予定の入ってないその日はもちろん誰か女性をつかまえることである。観光地で建築物や美術館を鑑賞するよりも、それらを創りだした、あるいは見た人間を鑑賞すること方が僕にはずっと興味があるし研究者としての僕の仕事でもあるのだ。
観光地で女性と出会う場所として最適なのは、そのとき僕がいた場所、そう、ネットカフェである。ちょうど隣の席にひとり旅行中らしい女性がる。巨大な水のペットボトルを持ってるところがアメリカ人らしい。僕が来る前からいたようだし、ちらりと画面を見るとすでにメールは終わっているようだ。プラハまで来てアメリカ女性を捕まえるというのもちょっと抵抗があったが、ひとり旅によくあるヘビーデューティーな彼女はプラハでは逆にとても魅力的に見えた・・・。

続く・・・


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テーマ:アメリカ生活 - ジャンル:海外情報

プラハ城と2人のアメリカ人②
そのアメリカ人のケイティはまだプラハに着いたばかりで、ホテルのチェックインもしないでいきなりネットカフェに来たということだった。僕と同じで世界のどこに行ってもインターネット依存症が抜けないみたいだ。彼女はプラハに来る前にすでに2ヶ月もヨーロッパを旅行していて更にあと1ヶ月残ってるということだった。それも全行程ひとり旅で。すごいね!女のこういうパワーってどっから来るんだろう、ってときどき不思議に思う。ひとり旅の女性はヨーロッパでよく見かけるが、彼女たちはみんな僕よりもずっと元気そうにしている。
ひとり旅には国民性があると言われるが、僕もその通りだと思う。アメリカ・カナダ・イギリス・ドイツ人・そして日本人のひとり旅行者はよく見かけるが、なぜかイタリア・スペイン人は見たことがない。この違いはどこから来るのだろうか。ことばの違いもあるがヨーロッパ人はさほど問題としないだろう。やっぱり国民性みたいなものによる違いは大きいと思う。「話し相手のいない旅行なんてつまんないでしょ」 とスペイン人の彼女がよく僕に言っていた。楽しいかつまらないかは国によってかなり違うものらしい。でもひとりの方が異国の体感度がずっと高いのは事実だ。僕としては、せっかく遠くに行くのだったら少しでも多くその土地の雰囲気を体感したいが、でもひとりで黙ったままいるのは好きではない。そう考えると、現地の人間を訪問しながらの周遊旅行というのは理想的な旅のスタイルかもしれない。

僕とケイティはインターネットカフェのカフェのほうに移った。アメリカ流に握手をし、あらためて自己紹介する。ケイティはアメリカの有名大学卒で現在は専門職についているらしい。いわゆるアメリカのインテリ女性である。25歳。普段アメリカの大学にいる僕にとって最も慣れたタイプの女性だ。なぜなら普段まわりにいるのはそういう系統ばかりだからだ。
インテリなアメリカ人女性と話すのは大学の人間としてはかなり楽なことだ。自分のリサーチの話をすればよいのだ。よほど難解なことでない限り、ちゃんとついてきてくれる。もちろんアカデミックな内容を興味深く話すということをやらなければならないが、アメリカの大学は授業を見てればわかるように、どんな年寄りプロフェッサーでも授業は楽しく行う。日本の大学教授と違って、学生にやる気を起こさせるのも教授としての重要な任務なのだ。だから大学院生である僕たちも、興味をひきつけるようなプレゼンテーションする訓練を受けている。
そう、今こそ訓練の成果を発揮すべきときなのだ!僕は当時やっていたリサーチ「芸術的センスのある人とない人との脳の使い方の違い」について話した。すると彼女は「すご~く興味ある」 と言って僕の方に一歩近づき、いろいろ詳しく聞いてきた。どうやら作戦2日目の今日も成功が確定したらしい。

しかし彼女の話題の行き着く先はやっぱりテロだった。イスラム系のテロが多発していた当時、ヨーロッパのどこ行ってもその話題にあふれていたが、アメリカ人のケイティとしては会う人みんなにその話題を出し、共感や同情を求めているようだった。
「わたしね、こうしてひとりで旅行してても、あのテロのことを思い出す度に涙がでてしまうの」
アメリカ人はみんな感情的になっているのよ、と彼女は言った。僕はチェコ在アメリカ人のピーターがいやにあっさりしていたことを思い出したが、もちろんそんなことケイティには言わなかった。
ケイティだけじゃなく、この旅行中にテロの話はあちこちで出たが、ヨーロッパで多数をしめるのはアメリカに対するシニカルで冷ややかな見方だった。超リベラル派の僕にとってそんな意見は聞いていてとても楽しい。これはアメリカを除く西側諸国、つまり西欧やカナダ・南米で目立つ意見で、リベラルという観点から共和党支持のアメリカ人を批判し、アメリカの独走主義を警戒している。カナダの場合、NYテロがあった直後は高層ビルからは避難するし、どこよりも早く強い同情の念をUS国民に送ったのだが、その週末にはメジャーTVの討論会でアメリカに国粋主義が強まることをとても警戒していた。アメリカと組んで軍事作戦に出たイギリスでさえメディアは冷静だった。それにひきかえアメリカのメディアはどこもかしこも愛国主義一辺倒ですごいものだった。そんなときおもしろかったのがカナダのメディアで、非常に正統的なジャーナリズムを発揮し、FBI, PENTAGON, CIAなどの高官につぎつぎにかなり厳しいインタービュをしに行くという、とても興味深く、爽快なことをやってくれた。それにひきかえ、日本はCNNさえ流しておけば国際的だと思っているレベルで、まるでおもしろみを感じないのはいつものことだが。

katie
ケイティと


ネットカフェですっかり話し込んでしまったが、その後ケイティと僕は一緒にツアーバスに乗ることになった。ツアーバスとは言っても、ヨーロッパによくある乗り降り自由の大型観光バスではなく、小型バスで最後まで一緒に回るツアーだ。
ケイティと僕が乗り込んだら20人乗りのバスはちょうど満席になった。そこに40歳くらいのひげを生やした男のガイドが乗り込んできて、英語とチェコ語を交互に使って説明を始めた。これからプラハ城とカフカが生涯を過ごしたユダヤ人街を一緒に廻るということだった。アクセントの強い英語だがしっかり聞かせようという話し方をするため問題ない。それにチェコアクセントがあったほうが味があってよい。アメリカ英語でガイドされるよりずっと雰囲気がよいだろう。
他の乗客を見てみると、女の2人組が大部分で、男は1人の奴ばかりのようだ。男女のカップルは僕達の他に一組いただけだ。ほとんどみんな英語をしゃべっているようで、女性の一組はアメリカかカナダ人。他の二組はイギリスっぽい。ひとりでいた男は中国系と南欧系だ。
普通、日本では観光地の女2人組はいちばん声をかけやすいターゲットになるが、ヨーロッパではそれはない。1対1でナンパしているのはときどき見かけるが、2人組はほとんど見ない。2人いても意見がなかなかまとまらないし、ひとりでいるときに声をかけられることに関して日本人ほど抵抗感は感じないからだろう。だからあえて2人組に行く必要もないのだ。
というわけで、僕はずっとケイティと一緒にツアーを回った。ツアー自体はまあありふれたものだったが、アポの入っていなかったその日、とりあえず誰かをつかまえて一緒に観光地を回るという目的を果たした。その後、成り行きで一緒にディナーを食べに行ったが、何だか僕はすごく疲れた気分になって、その夜まで彼女をひっぱる気力はなかった。まだ2日目だったが、次の日、その次の日とアポが入っていたからまだ体力を温存させなければならない。ということで、ディナーが終わると彼女と別れてひとりでホテルに戻った。

プラハ2日目おわり

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